皆さんは新築やリフォームなど建築工事を誰に頼んだら安くていい仕事をしてくれると思いますか?
家を建てるのは大工さんです。今のようにハウスメーカーが家を売るのが普通になっていますが、現場では昔からの大工さんが家を造っています。
ハウスメーカーは売ることが仕事です。造るのは職人である大工さんです。
ハウスメーカーが出てくる前は大工が棟梁で、プラン設計、施工、管理監督など、何役もしてきたのです。
棟梁は下職をかかえ、工事をまとめます。基礎、左官、電気水道、屋根や板金、内装など十数種の専門職方の工事のタイミングや工事のやり方を
指示します。
住宅リフォーム工事の場合、工事が小規模なものが多いので、この昔からの棟梁の請負形式が一番適しています。
大手リフォームの新築そっくりさんもこの棟梁に現場をまかせて、管理させる形式です。
会社のやることは営業マンを雇い、工事の内容をまとめ、契約をしたら、難が無く集金できるように勤めるだけです。
これで、棟梁に任せっぱなしで、たまに現場に来るだけで、大割のお金を持っていってしますのですから、棟梁はたまりません。
大工さんを利用して金儲けの業者ばかりで、それが仕事の取り合いで競争している。仕事を取ることが金儲けの手段で、肝心なリフォームの工事は人頼みで、
大工なんか金儲けの道具だと思っている人たちはこれからも減らないかもしれない。
私は大工になって30年。親も大工でその親も大工。祖父は亡くなりましたが、祖父から、親は樽の職人だと聞いています。息子があとを継いで今一緒にやっています。
つい2年位前まで親子3代そろって、現場で仕事をしていました。親はもう年ですが、息子に男の子ができて、この子は大工になれるか分りませんが、
できれば、あとを継いでもらいたいと思っています。
大工の職としては、代々ずっと前からですが、会社にしてからおかげさまで38年、今期39年目。小さくあっても長く続けることの大切さ、難しさがあります。
同じ顔、同じ手で仕事を長く続けるという信用はお金では買えないものとして、私たちの誇りでもあります。
継続は力なりかな。
企業は利益が取れなければ、潰れたり、やめたりしますが、工務店を代々の大工である我々はこの家業で続けてきたので、やめて転職なんてのはできません。
この業界、この仕事で生きていくしかない。地元で代々信用第一でやっていきます。
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