30年位前からクロス張りばっかりです。健康的とは?
大工の仕事は建てれば造作までですが、現在は100%近く耐火ボードをはります。その上クロス張りで仕上げます。火事のことを考えて耐火ボードを使うことが多くなってきていますが、なにも、全部クロスばりでなくてもと思っています。私個人的にはクロス張りの仕上げはいいと思っていません。あれはビニールで部屋を包んでいるようなもので、体にいいとは思えないのです。
想像してください。ビニール袋の中で生活していたらどうでしょう。時代の流れで、仕事のやりやすく、短工期で終わる仕様を流行らせて、商売をやりやすくしているのは、ハウスメーカーです。利益が出やすいようにこれになったと考えています。それで、どこのメーカーのどの家に行っても同じ家が出来上がります。お客に変わったものをすすめると、材料手配や在庫管理、施工にも、経費がかかり、クロスなら、お客に選ばせても無駄がないというわけです。使うだけのメーター数で切り売りしてくれますから、確かに無駄を出しません。
しかし、体に本当にいいものか疑問です。クロス張りが流行ってきたからといっても昔は和室が多く、左官で仕上げていましたから、ビニールとはちがいます。土塗り壁ならさらに最高。真壁和室は柱が露出し、床は畳、天井もベニヤであっても木です。さらに、建具はやはり木製で白木のまま障子紙、戸はふすまと何から何まで調湿性能のある材料。余分な湿度は吸って蓄えてくれて、乾いてくれば、それらから、湿気がでることで、自然のエアコントロールが出来ていたのです。さらに、和室は引き戸でしめてもしっかりとは閉まらず、これもまた、自然換気ができていました。自然に空気が循環するのです。建付けの悪く隙間風は困りますが。
風水なんかにこだわる人がいますが、気の流れってのは、こういうことだと思います。今の新築は和室を作っても一室あるかどうかで、しかも大壁で柱などは見せません。枠は洋室と同じ木目でもビニールシートをはったもの。壁も天井もビニールクロス。建具はアルミ建具にしたり、ビニール張りのクロゼット扉、畳は15ミリのボード畳となってくると、もう完全にビニール袋です。
昔の仕様は見た目は汚れてきたなくなってきますが、どう考えても体にいい。健康ブームで体に気を使う人が多くなっても建物内装はどんどんビニール袋になってきているこの現実。子供のアトピーとかアレルギーで問題のシックハウス症候群ですが、出ないように建材にホルムアルデヒドの出る量を規制したり、分りやすいように星でマークを付けても、結局は昔式に戻ったほうがいいような気がします。
目に見えないものが出て、長い間に健康を害するもの。アスベストは代表ですが、あんな風に表沙汰に出てこないで、少しずつ体に効いてくるものがあれば、怖いですね。
当店では健康的な内装をやりたい方は色々な方法をアドバイス致しますので、どうぞご相談ください。 |