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    この業界の丸秘話

いくつかの業界話

ここにある会社名や個人名についての問い合わせは一切おことわりします。

当店、(有)栄建設は、数年前まで”新築しょっくりさん”(仮名)を下請けでやっていました。大手ですから、儲け方も達者です。
まずいところなんかあればもみ消してクリーンなイメージを前面に、ダメは隠します。あそこは大工を棟梁なんて言い方でおだてて一括下請けさせます。 やるたび赤字に近く、とんでもなく下請けは苦しいです。 大工の中には言うことを聞かず筋交いの入れ方をごまかしたり、ゴミを縁の下にしまっちゃおうおじさんがいます。 ごく最近はうるさくなってそんなことも少なくなってきたでしょうが、結局、四六時中現場にいるわけでなく、下請け大工に任せっぱなしで、管理なんかできるはずもないわけです。
市内の同時期やっていた工務店も工事を途中で投げちゃいました。施主が気の毒です。私の業界ではこれを”けつわり”といいます。 しかし無理な下請け条件でやらせて、利益を確保しようとしても、こんなことが起こるのは当然だと思います。 やった現場のなかで大規模なものは、お客から1900万も取りながら、こっちの下請けには600万弱しか払ってくれなかった。他にかかるものがあるとしても原価は半分以下なのか。 その現場では、工事終了半年後に直接施主様から声がかかり、別の工事を直接やらせていただきました。とんでもなく高いから懲り懲りしたと。

おうちのリフォームポンタ君のポイントハウス(仮名)はすごいですね。お客さんから300万も取って、やらせる下請けのペンキ屋に足場をかけさせて40万です。すごい利益率。 末期の頃になるといよいよ仕事が取れず、ずいぶん値下げしていたらしいですが、それにしてもとんでもなく高いです。 職人といえばイラン人のグループがおりました。日本人のペンキ屋より稼いでいたそうです。自転車でかけまわり100万の給料の営業もいた。 普通のペンキは一斗缶(いっとかん)で7〜8千円ですが、ポンタ君オリジナルはバイオ塗料とか言って2万円もします。これを下請けに無理やり売りつけ使わせるものだから、 職人が限界までしゃぶしゃぶ(うすめる)しちゃうのです。仕上がったときはきれいに見えます。しかし、数年ではげっちょろです。 分っていてもやめられない。ペンキ屋さんも生活がかかっているのです。あのイラン人は国に帰ったかな−。もと暴走族上がりの社長がすごいなと思っていたら、逮捕された。 ポイントハウスは倒産ししたと聞きますがつい最近、別の資本でまた始めたらしい。 前の会社とは何の関係も無いのに施工実績なんてのをアピールするから、さらにあやしい。 前会社のときに、あそこの営業の口車にのせられて、ローン組んで塗装やったお客さん、まだローン残ってるだろうに。

同じような話はさくらんぼ都市(仮名)。ここは不動産屋で、中古の家を買い取り、販売する業者でした。 ある日、工事の話で声がかかり行くと、外壁塗装は足場をかけて23万円の予算だといわれました。普通の一軒屋です。 これで出来る人を募集してると言われ、ペンキは自分の専門でもないので断ってきました。 でも、実際やっているペンキ屋さんがいることを知り驚きました。建物も近くなのでみましたが、そこそこきれいに見えます。 しかし、職人にきいてみると、一年も経たないうちにボロが出るそうです。 ここは中古物件に買い手が付けばいいので、その時限りのみせかけの工事でいいのだと聞きました。 でもあれを一般のリフォームでやられたら、お客は大難儀ですね。

リフォームのシモヤマ(仮名)ってのがあります。あそこはひどいです。別件工事でお世話になった君津の鈴木さん(施主)に聞きました。 鈴木さんはペンキ塗りを頼んだんですけどひどい仕上がりで他の業者頼んでやり直ししたそうです。 ベランダの防水を頼んだのにペンキ塗っただけで防水効果なしで困ったといってました。 ここの現場で、営業マンの担当者が、3回変わったってのがすごい。たいした工事でもないのに、3回も名詞もらって、挨拶されて、 仕事も何がわるかったのか、その営業マンは理解していないらしい。 最後にひどい仕事なのに請求書は当たり前のように高かったと。かなり怒ってやったそうです。 その後別の業者で全部塗り直しています。 TVでも宣伝してましたが、このごろ見ないですね。 私の親戚にもこのシモヤマの営業として入り、一週間でやめました。

裏話で新築のほうも、実態が分るような話があります。木更津にセンズリーホーム(仮名)ってのがありました。 これで新築をやった人が困っています。軒天がはがれて飛んでしまっても直しにこないのでやってくれと依頼があったのです。 足場をかけてたったの二枚直してきました。高い費用で請求しずらかったです。こうゆう仕事は高くつきます。 あの金ぴかのチラシで”付いています”が売りのセンズリーホーム。金を払えば付いていますだったんですね。 とんでもない追加金にあきれられたようです。茨城の会社ですね。 ここも倒産しました。

777万円で家が建つなんてのは、ナンダ設計(仮名)。あそこの新築仕事はつい最近までやっていました。 ひどいのは、営業マンに聞いた話です。実際に777万でやった家はないそうで、これで契約をとってくると、会社には赤字で怒られるそうです。 オプションをすすめて金額をアップさせ、採算ベースに乗せるやり方です。 お客は騙されているようにも感じるこのやり方は、センズリーホームににてるかも。

いまは、金タマホーム(仮名)はどうでしょう。ああいう会社は営業所を開くと少しの間だけ、仕事が取れるようです。 数年すると下火になる。事情通の話を聞くと、ここの営業所は、5年位だと 初めから寿命を読んでいる。出展してバッとやったら、数年で下火になり、さっさと片付ける。 これが住宅産業のパターンでもあるようです。センズリーホームも分っていたのかもしれない。ちょうど5年位で片付けた。 なんか、イベントや祭りの出店のようでもあります。この産業はクレーム産業といわれ、まともにやってもクレームがたまってくるのです。 戸数をやればやるほどクレームは蓄積し、これは評判を悪くして、地域の営業所を潰します。 そしたら、また別の場所でこれをやり、こんなのをくりかえす。 会社はビジネス、利益が出ればいいのです。何十年も続くとは思っていないでしょう。保証なんかあてにしてはいけない。

私は親も大工なので、いろいろ聞いています。むかし、殖産住宅がこの千葉県にものしてきたそうで、 建てる家は、みんな殖産住宅ばかりだったことがあると。その後流行ってきたのは大和はうちゅだそうで、 やはりこれも一世を風靡したそうですが、いつのまにかすたりました。 どれもこれも、流行っては、消えたり、どうにかなる。この繰り返しであるようです。 パッとサイゼリア(仮名)も倒産して久しいですが、あんなところにリフォームを頼んではいけない。 隣のお宅も困っている。悪い所が出ても直しにこないって言ってます。 来るわけ無いです会社がないんですから。隣のおばさんも何年保証とかでやったそうです。難儀してます。

これから、少子化で住宅の需要が減るとかで、新築の会社は淘汰されてのこるのはわずかでしょうね。 リフォームへの移行もあるでしょうが、これからこの縮小の時代に派手に宣伝を始めたりしたら、その会社は必ず潰れるとおもいます。 自分が30年やってきた間にもいくつの会社が潰れたことか。人など大勢使って儲けても長続きしない産業なのです。

最近、リフォームとパソコンで検索をすると、数々のリフォーム事例を写真で紹介し、さらに業者を紹介させるサイトが多数ある。 あれも素人のビジネスです。紹介などしたら、ただではない。そこで金が動くことになるのは当然のことです。 余分なところにお金を取られてリフォームをするのはどうかと思うのですが、どこを頼んだらいいのか分らないからそうなるのでしょう。 リフォームには定価がないので、ああいう業者には好都合です。リフォーム事例と金額を入れて紹介すると、お客さんはそこに頼んでみたくなるのかもしれません。 しかし、素人の会社だから、施工事例の写真など並べてああするしかないのでしょう。 それも工事なんかわからないし、現場で作業などやったことの無い人が運営しています。 定価のないリフォームからは、紹介料などバックマージンが取りやすいのだとおもいます。 日本全国の地図など出して、本物のリフォームの業者はそんな広い範囲の仕事は出来るはずがない。お客と業者の間に入り、コミッション商売ならできるとおもいます。 だから、こんなところを相手にしてはいけない。

これからも新しい業者が流行り、また潰れるを繰り返すでしょう。うちでは代々これをずっと見てきた。素人がビジネスでやってるからこうなる。 職人レベルで地味にこつこつとやるのが、一番強い。細く長く続けることの強さとその大切さを訴えたいのです。

素人がビジネスとしてどんどん参入
この業界は工事を業とするのに素人ばっかりです。まったく建築のことは分らなくても何とか商売になってしまう。 大きく商売をやろうとすれば、どんどん素人の割合が増えていきます。リフォーム工事を頼まれても肝心な仕事をする人は少なく限られたメンバーです。 大工をやりたくても仕事を覚えたり、道具を揃えるのに10年はかかるからです。誰でも出来るものではなく、結局限られた人だけです。 それでも、リフォームについてビジネスとして儲けをねらう業者は次々出来ています。 大工など職人は仕事のエリアは決まっています。住まいから車で2時間が限度でしょう。 どんなにリフォーム業者いくつ出来ても、使える職人は地域の元からいる職人の中から拾うしかありません。結局同じメンバーが多数の業者から声がかかり、どこの専属ということは ありません。それなのに業者側は、”うちの職人”なんて言ってますが職人からすればそんな気はさらさら持っていません。いろんなところやるのですから。 もとから習った技術や設備を使ってその時だけその業者の稼ぎを手伝っているだけです。日当なり手間は当然もらいますが。 これから極端に後継者のいないこの大工のような職人はさらに不足し、本当に市内に数人とかのレベルまで減ることは確かです。 大工は口を利くのが苦手だったり、現場仕事をしているうちは営業はできません。 だから、ビジネスの道具にされてしまう。どんなに仕事の報酬を下げられても、他の事は出来ないから、飼い犬になるしかないという人ばかりです。 それには、定年が無く、60過ぎの年齢からが多いことがあります。再就職などできるはずもなく、退職金も無いし、年金は国民年金でほんの少し。 だからあきらめて働くところがあればと業者の飼い犬になっている現状があります。 ペットなら愛情で可愛がられますが、大工などの職人は粗末にされています。それでも今の市場を支えているのは、そんな人たちです。 現場は素人ではどうにもなりません。 いい人がいたら、リフォームを職人に直にやってもらったほうがいいことはわかるでしょう。大手も小さなリフォーム屋でも素人は職人を使って工事をするのです。 自分では出来ません。職人に払う分を値切るか、お客にふっかけて取るしか、素人(業者)は自分の儲けはでない。 リフォームには定価がないので、業者にとって都合がいいのです。わからないところでお客から取る。お客さんも当然素人。こんなものかと余分に乗せられた金額を払うことになる。 脱サラで中年素人がやるにもとっつきやすい。一定の規模まで資格も許可も要りません。 私は、建築業界で何年続けているかを資格や許可の基準にして欲しいと思っています。

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